外壁に起こるチョーキング現象とは?放置した場合どうなる?

投稿日:2025年12月22日

建物の外壁に触れた際に手に白っぽい粉がつく経験をしたことはないでしょうか。
この症状は外壁の劣化が進んでいることを示す「チョーキング現象」という重要なサインです。
放置すると雨漏りや建物の劣化につながることもあるため、早めの対処が必要です。
本記事では、チョーキングが発生する原因や、放置することで起こる深刻な問題について解説します。

 

 

チョーキング現象とは?

外壁に起こるチョーキング現象とは?放置した場合どうなる?

外壁表面を指で触った際に粉が付着する症状を、チョーキング現象(白亜化現象)と呼びます。
これは塗膜が劣化していて、塗装の寿命が近づいているサインです。
チョーキングは塗装表面の樹脂成分が分解され、顔料だけが粉末状になって残る現象です。
チョークのような粉が手につくことから、こう名付けられました。
濃い色の外壁では特に目立ちやすく、黒や紺色の外壁で顕著に確認できます。

この現象は住宅の経年変化でよく見られる症状のひとつで、外壁のメンテナンスが必要とされているサインとして受け止めることが重要です。

 

外壁の劣化症状については「こんな症状には要注意」をご覧ください。

 

 

外壁にチョーキングが発生する主な原因

外壁に起こるチョーキング現象とは?放置した場合どうなる?

以下のような、さまざまなことが原因となってチョーキングは発生します。

 

紫外線による塗膜の劣化

最大の原因となるのは、日光に含まれる紫外線です。
外壁は常に紫外線を浴び続けているため、塗料を構成する樹脂が徐々に破壊されていきます。
樹脂が失われると顔料を固定できなくなり、粉として表に出てきてしまうのです。
南向きや西向きの壁は特に紫外線の影響が多いため、劣化のスピードが速まります。
反対に北向きの面は比較的ゆっくり進行する傾向があります。

 

雨風や温度変化の影響

雨や風によっても、外壁面は少しずつ削られていきます。
また、夏場の高温と冬季の低温が繰り返されることで、塗膜が伸縮を繰り返し、内部から壊れていくのです。
このような温度変化もチョーキングの原因で、特に気温差の大きな地域や、海岸近くで塩を含む風にさらされる環境では、より早く症状が現れやすくなります。

 

施工不良によるもの

外壁塗装は通常10年前後の耐久性がありますが、わずか数年で劣化するケースもあります。
この原因は施工不良による問題があることが多いです。
主には塗料を薄めすぎたり、必要な工程を飛ばしたり、十分な乾燥時間を設けずに次の作業を始めたりするケースです。
このような工事の質に問題があると、早期に劣化が始まってしまいます。
また、外壁材に合わない塗料を使用した場合も同じです。

 

 

外壁のチョーキングを放置した場合

外壁に起こるチョーキング現象とは?放置した場合どうなる?

外壁のチョーキングは塗膜が劣化している証拠です。
放置してしまうと以下のような深刻な問題が発生する可能性があります。

 

防水性が低下する

塗装の表面にチョーキングが発生しているということは、外壁を守る塗膜の保護機能が弱まっている証拠です。
そのまま何もせずにいると、やがて完全に防水性を失ってしまいます。
そして、雨が降るたびに水分が外壁材に染み込むようになります。
特に冬場は内部で水が凍ったり溶けたりを繰り返すことで、内部から亀裂が発生してしまいます。
この段階まで来ると、外壁材自体が脆くなり、小さな衝撃でも傷みやすくなってしまうのです。

 

カビや藻が繁殖する

チョーキングによって防水性を失った外壁は、水分を吸い込んで常に湿った状態になります。
水分が多い場所は、カビや藻にとって最高の環境になります。
特に日光があまり当たらない北側の外壁ではカビが目立つようになり、建物の見た目を大きく損ねてしまうのです。
このようなカビや藻などは単に汚れているだけではなく、劣化をさらに加速させる原因にもなります。
一度根を張ってしまうと高圧洗浄でも完全には除去できず、塗装前の下地処理に余計な手間と費用がかかることになります。

 

ひび割れが発生する

保護機能がなくなった外壁は、強い日差しや激しい気温の変化に対して無防備な状態です。
その影響で外壁材が膨張と収縮を繰り返すうちに、最初は髪の毛より細いヘアクラックと呼ばれるひび割れが生じます。
これを放っておくと亀裂はどんどん広がり、やがて指が入るほどの大きな割れ目へと成長していきます。
構造にまで達した大きなクラックは、雨水が浸入する原因にもなり、建物内部を腐食させる原因になってしまうのです。

 

雨水が浸入する

外壁のひび割れや劣化が進むと、そこから雨水が内部に入り込むようになります。
内部に水が侵入すると、断熱材が水を吸って本来の性能を発揮できなくなるだけでなく、木造住宅では構造材が腐ったり、シロアリを呼び寄せる原因にもなります。
鉄骨造の建物でも錆が発生して強度が落ち、建物全体の耐震性に悪影響を及ぼす恐れがあります。
さらに症状が進行すると、室内の天井や壁にシミができたり、雨漏りとして目に見える被害が現れます。

 

修繕に費用がかかる

チョーキングが見られる段階で対処をおこなえば、通常の塗り替え作業で問題を解決できます。
しかし、対処を先延ばしにして外壁材自体が傷んでしまうと、単なる塗装では済まなくなります。
張り替えやカバー工事などの大規模な工事が必要になると、工事費用は通常の塗装の数倍から場合によっては10倍近くに膨れ上がることもあります。
さらに建物の内部にまで被害が及んでいた場合は、見えない部分の補修にも多額の費用が必要になってしまうのです。

 

当社の外壁塗装工事については「外壁塗装」をご覧ください。

 

 

まとめ

外壁に白い粉がつくチョーキング現象は、塗装の劣化を知らせる大切なメッセージです。
紫外線や天候の影響、施工不良などが原因で発生して、見過ごすと防水機能の低下やカビの発生、ひび割れや雨水の侵入といった深刻なトラブルを招きます。
そして、初めの段階でメンテナンスをおこなっていれば通常の塗装工事で対応できますが、放置すると修繕費用が何倍にも跳ね上がります。
そのため、外壁は定期的にチェックをおこない、チョーキングが発生していたら早めに専門業者へ相談をして、大切な住まいを長く良好な状態に保ちましょう。

*K*

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