軒天の増し張りとは?張り替えとの違いやメリットを解説

投稿日:2024年10月12日  更新日:2024年11月5日

軒天の剥がれや穴を発見した時に、「雨が直接当たるわけでもないからすぐに補修しなくても大丈夫だろう」と思う方も少なくないはずです。

しかし、軒天は火災時の延焼を防いだり外壁の劣化を遅らせたりと住宅にとって重要です。

補修方法には、塗装・増し張り・張り替えの3つがあります。

今回は、工事費用が抑えられ施工時間も短い増し張りのメンテナンス方法や、軒天材の種類・劣化症状について詳しく解説します。

 

 

軒天とは

軒天の増し張りとは?張り替えとの違いやメリットを解説

軒天とは、外壁から外側に突き出している屋根の裏側のことです。

主な役割には下記の3つがあります。

・外観の美観向上
・火事の延焼を防ぐ
・雨漏りによる外壁の劣化を防ぐ

 

軒天があることで、野地板や垂木などの屋根部分にある構造物を覆ってくれ、外観の見た目を美しくできます。

また、火災が発生した際に一番先に火が移るのが軒天です。

そこからの飛び火を防ぐ為にも重要な役割があります。

さらに、軒天があることで雨が吹き込むのを防ぎ、日光を遮ることにより外壁の劣化を遅らせることができます。

反対に、軒天があまりない建物では外壁の色あせなどの劣化が早いです。

 

 

軒天の増し張りとは?

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増し張りは、既存の軒天を新しい建材で覆う施工のことです。 カバー工法とも言います。

増し張りは、既存の軒天材が下地まで腐食していないため、建材全ての交換が必要ない時に有効な工法です。

 

一方、張り替えは軒天に雨漏りなどが発生し、増し張りでの補修が難しい場合におこないます。

張り替えは傷んでいる軒天を取り外して廃材を処分するため、その分の費用がかかります。

しかし、下地ごと全て張り替えることにより、性能を完全に回復できることがメリットです。

 

増し張りは、メンテナンス中でも換気口を設置することができます。

結露が発生しがちな軒天内部の通気性を改善できるのが利点です。

また、費用をできるだけ抑えたい方におすすめの施工です。

 

 

軒天増し張りのメリット

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軒天増し張りは、既存の軒天をそのまま用いるため処分する建材がなく、費用を抑えられることがメリットです。

他にも、既存の軒天材の耐火性などが低くても、耐火性のある素材を増し張りに使用することで耐火性を高めることができます。

例えば、既存の軒天材がベニヤ板の場合、耐火性や耐水性が低いです。

しかし、増し張りに使用する素材を耐火性や耐水性のある金属やケイカル板にすることで、より軒天の性能を高めることができます。

また、軒天材の色あせなどがあると家全体が古びた印象を与えがちです。

しかし、増し張りすることで、家全体がおしゃれで素敵な印象を与えられる魅力があります。

 

 

軒天増し張りのデメリット

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軒天増し張りのデメリットは、劣化が激しい場合には補修ができないことです。

特に、雨漏りが激しい場合には、軒天の下地部分の張り替えをおこなわなくてはなりません。

そうなると、軒天の面積自体はそんなに大きくありませんが、施工時間がかかってしまいます。

また、張り替えの場合は部分的な補修が可能ですが、増し張りの場合には部分的なメンテナンスができません。

仮に一部のみ施工した場合、施工していない部分と比べると段差が発生してしまうため、見た目も美しくないです。

 

 

軒天材の種類

軒天の増し張りとは?張り替えとの違いやメリットを解説

主な軒天材の特徴を紹介します。

 

ベニア板

べニア板はコストが安いメリットがありますが、耐火性や防水性が低いといったデメリットがあります。

 

ケイカル板

ケイカル板は、耐火性に優れた建材で不燃建築材料に認定されています。

水にも強いメリットがあります.が、吸収率が非常に高く、衝撃が加わると割れやすいことがデメリットです。

 

金属板

金属板は、耐火性や耐水性・耐久性に優れていることから、軒天に使用されています。

一方、金属板は錆びるため、塗装による定期的なメンテナンスが必要です。

 

 

軒天の劣化症状

軒天の増し張りとは?張り替えとの違いやメリットを解説

以前は、ベニヤ板が主流でしたが、最近では耐久性や防水性に優れたケイカル板や金属板が多く使われています。

しかし、いくら耐久性に優れた軒天材でも経年劣化が発生します。

また、軒天は雨樋から溢れた雨水が流れたり、破風部分に打ちつけた雨水が流れたりするため、建物の中でも痛みやすいです。

以下のような劣化症状がある場合は注意しましょう。

 

カビや藻の発生

軒天は結露や湿気が生じやすい場所のため、カビや藻が発生しやすいです。

そのまま放置しておくと、軒天ボードや屋根を支えている野地板の腐食に繋がり、雨漏りが発生してしまいます。

急いで補修をおこなう必要はありませんが、カビや藻を発見したら業者に相談しましょう。

 

シミ

軒天は普段は直接雨や風が当たりにくい部分です。

しかし、屋根の雨仕舞いが悪いと、雨水が軒天のほうまで染み込んできてしまいます。

他にも、塗膜が劣化し耐久性が低下してしまうとシミになるケースもあります。

シミをそのまま長い間放置していると、腐食がどんどん進行してしまうため、一度業者に点検してもらうことをおすすめします。

 

剥がれや穴

台風などの影響で軒天が剥がれてしまうことがあります。

剥がれた部分から雨水が侵入すると、雨漏りを引き起こす可能性が高まります。

また、その部分だけでなく周囲も傷んでいる可能性が高いです。

また、屋根など劣化した部分から雨水が侵入することで、傷んでいた軒天の劣化が更に加速してしまい、強風や大雨のたびに雨漏りが進行してしまいます。

他にも、穴が空いてしまった部分をそのまま放置した状態でいると、空いた穴から小動物や鳥が侵入し巣を作ってしまうケースがあります。

小動物や鳥の糞やし尿が原因で、ダニやガビが発生してしまい被害が拡大する可能性もあります。

軒天の剥がれや穴を発見したら、できるだけ早く補修をおこなうようにしましょう。

 

 

まとめ

軒天は、普段は雨や風に当たることが少ない場所です。

しかし、経年劣化の影響により剥がれやシミなどの劣化症状が現れる場合があり、そのまま放置しておくと雨漏りの発生に繋がります。

また、穴が空いた部分からは小動物が侵入し、内部に巣を作ってしまうこともあります。

メンテナンスの中でも、増し張りは既存の軒天材が増し張り材の重みに耐えられる場合に有効な方法です。

その他費用が抑えられることがメリットです。

軒天の劣化を発見したら、一度業者に点検してもらうことをおすすめします。

 

*K*

 

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