日本瓦のメンテナンスは必要?劣化症状やメンテナンス方法を徹底解説!

投稿日:2024年7月13日  更新日:2024年7月31日

日本家屋のシンボル的な存在の屋根材と言えば、日本瓦を思い浮かべる方も少なくないはずです。

日本瓦は、瓦が割れない限り耐用年数が50年以上と非常に長いのが特徴です。

更に、耐火性や防水性にも優れているメリットがあります。

そのため、メンテナンスの手間も省けるといった魅力がありますが、全くメンテナンスが不要なわけではありません。

この記事では、日本瓦の劣化症状やメンテナンス方法について解説します。

 

 

日本瓦の種類

日本瓦のメンテナンスは必要?劣化症状やメンテナンス方法を徹底解説!

日本瓦は以下の3種類です。

・粘土瓦
・セメント瓦
・乾式コンクリート瓦

 

粘土瓦

粘土瓦は、粘土を成形し約1,000度の高温で焼き上げた瓦のことを言います。

破損がない限り50年〜100年位と非常に耐久性が高く、表面の塗装が要らないのが特徴です。

粘土瓦は、陶器瓦といぶし瓦の2種類です。

陶器瓦は、焼き物の表面に釉薬を塗り化学反応を起こすことで色をつけます。

釉薬を塗ることで、耐久性を高める効果があります。

いぶし瓦は独特の光沢があり、表面が銀色をしているのが特徴です。

瓦を炭化させることで、表面だけでなく内部まで灰色に仕上げています。

 

セメント瓦

セメント瓦はセメントと砂を混ぜ成形し、乾燥後に塗料で塗られた瓦のことです。

高度経済成長の時代に流行になり多く生産されていましたが、現在ではわずかな生産量になっています。

セメント瓦は顔料を塗り、固まった後に塗装して仕上げています。

塗膜の経年劣化が起きるため、定期的な塗装が必須です。

再度塗装をおこなうことで、防水機能を高めることができます。

しかし、塗装をおこなわないと表面の塗装が剥がれ落ち雨水など吸収しやすくしてしまいます。

 

乾式コンクリート瓦

乾式コンクリート瓦は、セメントと骨材を水で混ぜ合わせ、着色セメントスラリーと塗装クリアー塗装を施した瓦のことです。

吸収性の高いセメントを使用しています。

乾式コンクリートはセメント瓦と比べると耐久性に優れていますが、塗膜保護のためにも定期的メンテナンスが欠かせません。

 

 

日本瓦の劣化症状

日本瓦のメンテナンスは必要?劣化症状やメンテナンス方法を徹底解説!

耐久性に優れている日本瓦ですが、全く破損しないかというとそういうことはありません。

主な劣化症状を紹介します。

 

谷のサビ・穴

谷は、V字の形状をしています。

雨水が雨だれに向かって排水する重要な役割があります。

この谷の部分は、雨水が集中するところです。

頻繁に起こることではありませんが、何らかの衝撃により穴が空いてしまうケースがあります。

すると、穴の部分から雨水が侵入し建物内部の建材を腐食させることに繋がります。

昔は銅材が使用されていたので、経年劣化によりサビや穴が発生しやすかったです。

しかし、現在ではステンレスが使用されており耐久性に優れています。

 

割れ

日本瓦の割れは、風来物による衝撃や凍害・塩害が主な原因です。

凍結は、標高の高い地域や気温が急激に下がることにより発生します。

瓦内部の水分が凍ったり溶けたりを繰り返すことにより、剥がれや割れといった劣化症状が発生します。

また、沿岸部に近いところにお住まいの方は、海水の塩分の影響により瓦がボロボロに劣化する塩害が起こりやすいです。

 

瓦のズレ・ヒビ

日本瓦は頑丈です。

しかし、接着面が不安定になると、瓦のズレが生じることがあります。

耐久性の低下や強風の影響により、瓦が動きづらく隙間が空いたり瓦が劣化することがあります。

 

漆喰の剥がれ

漆喰は、屋根の頂上部分にある棟瓦の土台を守るために塗りこんでいます。

年月が経ち、紫外線や雨水の影響により剥がれやひび割れが生じます。 

 

藻・コケ

藻やコケは、水はけが悪い場所や長時間日陰になる場所で発生しやすいです。

 

 

日本瓦のメンテナンス方法

日本瓦のメンテナンスは必要?劣化症状やメンテナンス方法を徹底解説!

メンテナンスフリーのイメージがある日本瓦ですが、劣化の症状が発生した場合にはメンテナンスが必要です。
主なメンテナンス方法を紹介します。

 

漆喰の詰め直し

スレート瓦や金属製の屋根材とは異なり、日本瓦の場合には接着作用と雨の侵入を防ぐために漆喰が使われています。

経年劣化により漆喰がひび割れしたり剥がれたりすると、棟に雨が侵入し内部に土が流れ出てしまいます。

劣化が進行し雨漏りの原因に繋がるため、定期的な補修が必要です。

 

瓦の差し替え

瓦はとても厚いです。

しかし、何かの衝撃により割れてしまいます。

雨漏りを防ぐ防水紙で保護されているため、瓦が割れたからといってすぐに雨漏りをするわけではありません。

しかし、そのまま放置してしまうと防水紙の劣化にも繋がるため、できるだけ早めに補修を検討しましょう。

 

瓦の葺き直し

屋根の防水効果を高めるために、瓦の下に防水紙が使用されています。

この防水紙の耐用年数が過ぎてしまうと、防水効果が低下する原因になります。

耐用年数が高い瓦を使用していても、防水紙が劣化してしまっては雨漏りの発生に繋がってしまうため、定期的な補修を検討してみましょう。

 

棟瓦の取り直し

屋根の頂上には棟瓦が平に積み上げられていて、他の瓦を安全に固定することができます。

棟瓦の取り直しは、屋根の頂上部分の積み替えのことです。

強風や台風などの自然災害や漆喰の劣化により、水平に積み上げられている棟が曲がったり崩れてしまうことがあります。

棟が崩れてしまうと瓦を固定できないため、捲れや落下を引き起こしてしまいます。

 

屋根の塗装

粘土瓦の色があせると塗装を検討される方もいるのではないでしょうか。

塗料の密着性により塗膜が剥離する場合がありますが、日本瓦は塗装が不要です。

しかし、セメント瓦の場合には、瓦そのものが雨水などの吸水し劣化することもあるので、定期的な塗装が必要です。

 

屋根の葺き替え

屋根の葺き替え工事は、屋根材を変更する場合や著しく劣化している場合など、ふき直し工事では対応できない際におこないます。     

建物全体の老朽化や防災面の観点から見ると、葺き替え工事が必要なケースもあります。

 

 

日本瓦のメンテナンス方法については「瓦屋根・漆喰工事」をご覧ください。

 

 

まとめ

日本瓦は、耐久性に非常に優れているという特徴がありますが、メンテナンスフリーではありません。

様々な劣化症状がありますので、定期的なメンテナンスをおすすめします。

 

*K*

 

 

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