棟板金の釘抜けは放置すると危険?原因と正しい対処法を徹底解説
投稿日:2024年11月9日 更新日:2024年12月2日
棟板金は屋根の頂上部分に取り付けられており、風雨から家を守る重要な役割を果たしますが、釘が抜けるトラブルが起こる場合があります。
「なんで釘が抜けるの?」「釘が抜けるとどんなトラブルになるの?」と不安に感じている方は少なくないでしょう。
そこで今回は、屋根を適切にメンテナンスしたい人に向けて、棟板金の釘抜けについて解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
棟板金の釘抜けの原因
棟板金は金属製であるため、気温の変化により膨張と収縮を繰り返します。
膨張と収縮の動きが釘に負担をかけ、築7〜10年ほど経つと少しずつ釘が緩み、抜ける原因になります。
特に、夏場の気温差が激しい地域では日中の高温で膨張し、夜間の低温で収縮する現象が毎日繰り返されると、棟板金の釘が浮く状態が発生しやすいです。
また、築年数が経過した屋根でも釘の膨張と収縮の動きが顕著にでるので、釘抜けが進みやすくなる傾向があります。
棟板金の釘が抜けるとどうなる?
棟板金の釘が抜けたまま放置すると、家全体にさまざまな悪影響を及ぼします。
以下では、その理由と具体的なリスクを解説します。
雨が侵入する
棟板金の釘が抜けると、雨水が侵入しやすくなります。
屋根から雨水が侵入すると、屋根内部の防水層が破られて天井や壁に水漏れが生じる可能性があります。
特に、雨量の多い地域では雨漏りの頻度が高いため、棟板金の釘抜けは早急に修理すべきです。
板金が変形する
釘が抜けた状態を放置すると、板金が固定されないため風や雨で変形してしまいます。
一度変形した板金は元に戻すのが難しく、新しい板金に交換が必要になる場合が多いです。
特に、台風などの強風が発生すると板金が変形する可能性が高いので、早急に修理しておくとよいでしょう。
また、変形した板金は周囲の屋根材を傷つける場合もあるので、屋根全体の劣化を早める原因になります。
板金や瓦が落下する
釘抜けが悪化すると、最終的には棟板金や周辺の瓦が落下する危険性があります。
このような事態は人や物に被害を与える可能性が高く、所有者として法的な賠償責任を問われる可能性が高いです。
特に人身事故が発生した場合は、治療費や慰謝料など多額の費用が発生する可能性があり、さらに責任が問われて長期的なトラブルに発展するリスクも考えられます。
家全体の寿命が縮む
棟板金の釘抜けを放置すると雨水が家の内部に浸透し、柱や壁の腐食が進む可能性があります。
腐食が進むと家全体の耐久性が低下し、構造物全体の修繕費用が大きく膨らむため、早期修理が不可欠です。
また、カビが発生すると室内環境が悪化して、住人の健康にも影響を及ぼすため注意しておきましょう。
棟板金が抜けた時の対処法
棟板金の釘抜けを発見した場合、早急に対応するべきです。
以下では具体的な解決策を解説します。
釘を打ち直す
釘を打ち直すのは最も簡単な修理法で、費用も抑えられるのが特徴です。
釘を新たに打ち直す際には従来よりも緩みにくくするために、耐久性と防錆性の高いステンレス製の釘を使用します。
また、以前の釘穴が余分に残る場合には、その穴をシーリング材でしっかり防いで防水性能を確保します。
ただし、貫板が劣化している場合には、釘やビスを打ち直しても再び抜ける可能性が高いです。
そのため、釘の打ち直しは迅速かつ費用を抑えた応急処置として適しています。
貫板の交換
釘の抜けが頻発している場合や貫板が腐食している場合には、貫板を交換するとよいでしょう。
なぜなら、劣化した貫板を放置すると修理の効果が限定的になり、再度修繕が必要になる可能性が高いからです。
貫板交換のポイントとしては、防腐処理済みの木材や樹脂製の耐久性の高い素材に交換すると、再発防止につながります。
棟板金の交換
板金自体が変形している、または損傷が激しい場合には、棟板金を交換する必要があります。
棟板金を交換すると防水性能が回復し、雨漏りや内部構造の腐食を防止できます。
また、耐候性の高いステンレス製やガルバリウム鋼板などの耐久性の高い素材を使用すれば、次回のメンテナンスまでの期間を延ばしやすいです。
さらに、新しい板金にすることで屋根全体の見た目が美しくなり、住宅の価値が向上する点もメリットです。
棟板金工事については「屋根板金工事」をご覧ください。
屋根が浮いていると言われた時の対応
棟板金や屋根の不具合を業者に指摘された際には、冷静に対応するとよいでしょう。
不安を煽るような言葉に焦って契約を決めてしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。
以下の手順を参考に、安全かつ適切に対応しましょう。
名刺を確認する
突然訪問してきた業者に「屋根が浮いている」と言われた場合、まずは名刺を確認してください。
信頼できる会社である場合、公式ウェブサイトや口コミ、施工実績が見つかるはずです。
業者の身元を確認しないと、不当な請求や不適切な工事を受けるリスクが高まるため、身元確認は重要です。
信頼できる人に相談する
業者に指摘を受けた場合は、家族や近隣で評判の良い工事業者に相談するとよいでしょう。
特に、悪徳業者は不安を煽りながら「すぐに契約しないと状況が悪化する」と迫る場合が多いため、焦らず冷静に対応するのが大切です。
冷静な判断が求められる状況では、信頼できる第三者の意見を参考にすると不必要な契約を回避しやすくなります。
修理の相場を調べる
棟板金の修理費用の相場を事前に調べておきましょう。
なぜなら、相場を把握しておけば適正な価格で修理を受けられる可能性が高まり、不当な高額請求を回避できるからです。
相場を調べる方法として、まず複数の業者に見積もりを依頼し、価格や工事内容を比較するとよいでしょう。
また、リフォーム比較サイトや業者のホームページで費用例を確認したり、近隣住民に過去の実績を尋ねるのも有効です。
屋根には登らせない
突然訪問してきた業者をすぐに屋根に登らせるのは避けてください。
悪徳業者は無断で屋根に登り、損傷箇所を意図的に増やして高額請求をしてくる可能性があります。
突然来た業者には、屋根に登らせずに地上から見えている範囲で点検してもらってください。
まとめ
棟板金の釘抜けは、屋根全体や家の寿命に大きな影響を与えます。
強風や経年劣化、施工不良が主な原因であり、早めの点検と適切な修理が欠かせません。
特に、台風や豪雨の後には屋根の状態を必ず確認し、必要に応じて信頼できる業者に相談してください。
適切な対応をおこなって、家の安全と寿命をまもりましょう。
*K*
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