縁切りとは?縁切りの効果や施工方法について解説

投稿日:2024年4月13日  更新日:2024年4月19日

「縁切りって必要?」
「屋根塗装を依頼する際に、タスペーサーを入れて欲しいけどどうなんだろう?」
などの悩みを持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
本記事では縁切りとはなにか、また縁切りの効果や縁切りが不要な屋根について紹介します。

 

縁切りとは?

縁切りとは?縁切りの効果や施工方法について解説

縁切りとは、屋根材と屋根材を塞いでしまった塗膜を切り離す作業のことです。

屋根材と屋根材の隙間は、降り注いだ雨水が屋根材の重ね目を通り抜けて、屋根内部に水が溜まらないようになっています。

しかし、屋根材に塗料を塗ると、その隙間が塞がってしまうことがあります。

そうすると、雨が降った時に雨水の通りを塞いでしまい、雨漏りの原因になってしまうのです。

 

縁切りの効果とは?

縁切りとは?縁切りの効果や施工方法について解説

縁切りの効果は2つあります。

・雨漏りを防ぐ
・結露を防ぐ

縁切りは、雨漏りや結露が原因で屋根内部の木材の腐食を防ぐために大切です。
効果について詳しく説明します。

 

雨漏りを防ぐ

多くの屋根材として使用されているのが、スレート瓦です。
スレート瓦は、1枚1枚重ね合わせて屋根を形成します。
スレートとスレートの重なっている部分に隙間があれば、雨水が屋根の内側に入ってきませんが、屋根の塗料を塗った際に、屋根材と屋根材の間の隙間を塗膜で塞いでしまいます。
そのような場合には、縁切りが必要です。 隙間が塞がったままの状態を放置しておくと、すぐに何かしらの症状がでるわけではありません。
しかし、瓦を伝って行き場を失った雨水が屋根の内部に入り、野地板などの木材を腐食させ、雨漏りが発生してしまう原因になります。

 

結露を防ぐ

寒い冬の日に、窓ガラスに結露が発生することがあると思います。
結露は気温が低い冬に多く発生し、室内の気温と外気の気温差が生じた時に起こる現象です。

寒い日は、暖房機器などで温めて室内を暖かく保ちます。
暖かい空気には水分が多く含まれていて、暖かい空気が冷たい空気に触れた時に水滴として現れます。
窓ガラスは外気と内部の温度差が多い場所なので、結露が発生しやすいです。

そして、屋根でも同じような事が起こります。
室内の気温がどんどん上昇し、屋根裏までいきます。
屋根の内部と外気の気温差が起こり、スレート瓦の隙間に結露が生じてしまうのです。
そのまま結露の状態を放置して置くと、雨漏りの時のように屋根内部の木材が腐食してしまいます。
縁切りをすることで暖かい空気が外に流れ、結露を防ぐことができます。

 

縁切りの方法

縁切りとは?縁切りの効果や施工方法について解説

縁切りには2つの方法があります。

・カッターを使用する
・タスペーサーを使用する

カッターとタスペーサーの作業について、それぞれの特徴を紹介します。

 

カッターを使用する

エンカッターやスクレイパーなどの専用の塗膜カッターやヘラやコテを使い、屋根材の重ね目の塗膜を切り取っていく作業です。
塗料を塗って直ぐに縁切りをしても、また塗膜で塞がってしまうため、カッターによる縁切りは屋根の塗装が完全に乾いた数日後におこないます。
デメリットは、1枚1枚職人の手作業でおこなうため、1日がかりの作業になりコストがかかる点です。
また、塗膜をカッターで切っていくため、屋根に傷をつけてしまう可能性もあります。

 

タスペーサーを使用する

タスペーサーは5角形の形をしていて、スレート瓦と瓦の間に差し込んで隙間を作るために取り付けます。
屋根材を傷つけずに、作業時間が短縮できることです。
また、充分な隙間を作れるため、取り付けた後に塗料を塗っても隙間を防ぐことはありません。
基本的にタスペーサーの取り付けは、下塗り後で中塗りの前におこないます。
設置後、外側からほとんど見えないため見た目の問題もないのが魅力です。

 

縁切りが不要な屋根は?

縁切りとは?縁切りの効果や施工方法について解説

屋根の塗装をおこなっても、縁切りが必要ない場合もあります。

縁切りが必要なのか、不必要なのか見極めるポイントを紹介します。

 

屋根の素材

縁切りが必要な屋根の素材は、スレート瓦です。
スレート瓦はセメントを薄く板状に成形したもので、コロニアルやカラーベストと言う名称でも呼ばれています。
スレート瓦の厚みは約5㎜で、瓦と瓦が重なりあう隙間がわずかなため、塗装の際に塗膜で隙間を塞がれやすくなってしまいます。
他にも、横ふきのガルバリウム鋼板は、スレート瓦と同じように段違いで施工するため部材の断面が狭いです。
塗装方法によっては、縁切りが必須になります。

 

経年劣化

経年劣化している瓦は先端が反りかえっていて重ね目に隙間ができるため、縁切りの必要がありません。
また、新築後の瓦も隙間が十分にあるので、縁切りが必要ではありません。
基本的に縁切りが必要になるのは、2回目以上の塗料になります。
反りかえりは、日当たりの良い南側の屋根で起こりやすいです。
縁切りをするかしないかは、日当たりの条件によっても変わってくるため、部分部分で縁切りをおこなうケースもあります。

 

屋根の塗装

屋根の塗装方法には、「ローラー塗装」と「吹き付け塗装」の2種類あります。
吹き付けの場合には縁切りが必要ではありませんが、ローラーによる塗装の場合は縁切りが必要です。
ローラーで塗装する場合には、瓦が重なりあう断面部分もしっかりと塗装しなくてはなりません。
そのため、断面にローラーを押し当てる事になり、隙間が塞がってしまうのです。

 

当社の屋根塗装工事については「屋根塗装」をご覧ください。

 

まとめ

スレート屋根の塗装には、縁切りが必要です。
縁切りをする事で、雨漏りや結露を防ぐことができます。
しかし、スレート瓦が反り返っていたり、経年劣化があるスレート瓦には縁切りをしないケースもあります。

*K*

 

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