塗装工事で選ばなければならない”塗料”について

投稿日:2022年4月3日  更新日:2023年1月6日

新築から10年以上すると、塗装メンテンナンスが必要になります。

ほとんどの屋根、外壁は塗膜で保護されており、塗膜には防水性や低汚染性などの機能が備わっています。

紫外線や雨風などの影響により、それらの機能は徐々に低下していき、劣化を放置すれば部材自体が傷んでしまいます。

その為、新しい塗料で塗り替えて機能を復活させてあげる必要があるのです。

 

塗り替えに使用する塗料は様々あり、お住まいの状況やお客様のご希望内容によって適した塗料は異なります。

この記事では、塗装工事に使用する塗料について詳しく解説します。

「屋根・外壁のリフォーム、防水工事が初めての方へ」は、こちらのページです。

 

【塗料の持つ機能とは】

 

塗装工事で選ばなければならない塗料について (3)

 

塗料は沢山のメーカーが、様々な製品を出しています。

製品によって持つ機能はそれぞれです。

具体的にどのような機能があるか、塗料が持っている性質の一部をご紹介します。

 

  • ・耐候性・・・紫外線、雨水、酸素による酸化反応、温度変化等による変形、変色、劣化を起こしにくい性質。
  • ・低汚染性・・・塗膜表面の親水性を高めて汚染物質を引き付けにくくし、かつ定着しにくくさせる性質。
  • ・親水性・・・汚れが付着しても雨水で洗い流す性質。
  • ・遮熱性・・・日射エネルギーを効率的に反射し、塗装面が熱くなるのを防ぎ、室内に届く暑さを軽減する性質。
  • ・防錆び性・・・錆びの発生を防止する性質。
  • ・防カビ・防藻性・・・カビや藻などの微生物の発生を抑制する性質。
  • ・透湿性・・・部材の湿気を外へと逃がす性質。
  • ・弾性・・・ゴムのように伸縮し、ひび割れを防ぐ性質。
  • ・耐衝撃性・・・地震や台風などの強い力が加わった時に耐える性質。

屋根や外壁にとってどの性質が必要かは、お住まいの立地条件やお客様のご希望内容によって異なります。

 

【塗料の種類とは】

塗装工事で選ばなければならない塗料について (1)

 

塗料には機能だけでなく、アルカリ塗料やウレタン塗料など、種類があります。

塗料の種類により、耐候年数や費用が異なります。

具体的にどのような種類があるか、代表的なものをご紹介します。

 

●アクリル塗料

最近ではあまり使われなくなっている塗料です。

耐用年数は約5~8年と短めですが、低価格で発色が良いのが特徴です。

弾性の製品だとひび割れ追従機能があります。

耐用年数が短いので次のメンテンナンスサイクルが早いというのがデメリットです。

 

●ウレタン塗料

木部から鉄部まで下地を選ばない万能な塗料です。

価格も安めですが、耐用年数は約7~10年と短めです。

シリコン塗料との価格差があまり無くなった為、積極的に選ばれる理由は少なくなりました。

 

●シリコン塗料

屋根、外壁用の塗料の中で最も一般的な塗料です。

どの塗料メーカーでも売れ筋の塗料なので、沢山の製品があり、選択肢が多いというメリットがあります。

価格は安いものから高いものまであり、性能はほぼ価格に相当します。

耐用年数は10~13年ほどと長めですが、費用効果が優れるラジカル塗料が登場した為、人気が下がってきています。

 

●ラジカル塗料

2010年代から各メーカーから続々と発売されている塗料です。

ラジカルとは劣化因子の事をいい、塗膜に紫外線が当たる事で発生します。

塗膜を維持する樹脂成分を破壊する働きを持つラジカルの誕生を抑制するのがラジカル制御技術です。

耐用年数は12~15年ほどと長く、ほとんどの塗料に低汚染性機能が備わっています。

 

●ナノテクノロジー塗料

1nm(ナノメートル)=100万分の1mm(ミリメートル)と極小の技術から生まれた塗料です。

親水性塗膜で汚れが付きにくく、かつ雨が降る事で汚れを洗い流してくれます。

耐用年数は12~15年ほどと長めです。

ただ、艶無ししか選べず、彩度が低い色しかないというデメリットもあります。

 

●ピュアアクリル塗料

100%のアクリル塗料で、汚れに強く、期待耐用年数は約13~15年以上と長めです。

最大の特徴は弾性に優れている事で、モルタルなどひび割れやすい外壁に向いています。

 

●フッ素塗料

価格は高めですが、耐候性と寿命の長さがはっきりと証明されているハイグレード塗料です。

その実績からスカイツリーにも採用されている程です。

頻繁に塗り替えできないビルやマンションなどに多く利用されていますが、最近は戸建て住宅の外壁用にもよく用いられています。

期待耐用年数は約13~15年以上です。

 

●無機塗料

期待耐用年数は約15~20年以上もの高耐久塗料です。

公共性の高い建物や海の近くの建物などにもよく用いられていますが、一般家庭でも塗装されています。

期待耐用年数が長い為、次のメンテンナンス時期を長くする事ができます。

 

塗装工事で選ばなければならない塗料について (2)

 

いかがでしたでしょうか。

塗料にはそれぞれに特徴がありますが、全体を通して期待耐用年数が長いほど価格帯も高くなりますので、ご希望内容とご予算のバランスを見て後悔の無い塗装工事にしましょう。

 

当社ではこれまで沢山のお客さまの塗料選びをサポートしてきました。

塗装工事の際は、親切、丁寧に対応させていただきますので、どうぞ安心してお任せください!

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